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豆知識

わかめの豆知識

わかめの特徴と生態

1.葉/葉体・成葉
長さ100~200cm、幅40~50cmくらいで、羽状に分裂。真崎わかめは、この葉の切れ込みが深いことと、葉が肉厚であることで有名です。葉全面に粘液腺が分布していて、表面には、毛そうと呼ばれるうぶ毛のようなものが生えている場合もありますが、害はありません。
2.茎/中芯・中肋(ちゅうろく)
葉の中心部にある主脈のことで、根の上の部分にまで伸びています。茎は円柱状。個体差はありますが、茎が1m~2mと他のわかめにくらべて長いことも真崎わかめの特徴です。
3.めかぶ/胞子葉
この部分は通常、“みみ”などと呼ばれ、胞子を含む子のうのことを指しています。わかめはシダ類と同様に胞子で増えます。胞子が成熟すると、子のうが破れて胞子が散布されます。
4.根
天然物は岩や砂などに、養殖物は養殖ロープに、わかめはしっかりと根を張ります。短いが、丈夫な根です。天然物を採取する場合は、後々の手間を考え、根を残して刈り取ります。
わかめの体の中心部に中筋があり、その左右に葉がたくさんついていますが、更にその周りに小さな葉を羽のようにたくさん付けています。成長すると茎の左右にひだが出来始め、いわゆる「めかぶ」と呼ばれる部分に生育してきます。
めかぶは胞子のうを作る部分で、即ち 胞子葉です。春の終わり頃から胞子葉の表面に胞子のうが出来始め、やがて成育してくると、遊走子(胞子)が海中に泳ぎだす。遊走子(胞子)はナスの形をしていて約9ミクロン、横に長短2本の鞭毛をもっていて、岩などにくっついて芽を出して、糸状に発育していきます。
このような状態でわかめは夏を越し、秋になると糸状の体の細胞のいくつかは、生殖器官にかわり、ここに卵と精子が出来始める。精子は泳いで卵にくっついて受精します。受精卵は細胞分裂を繰り返して、10~11月頃に肉眼で見ることの出来るわかめの幼体(幼葉)に発育してきます。胞子葉1gから10万~100万の遊走子(胞子)が泳ぎ出すと言われていますが、この計算で行くと、1本のわかめの体からは数億の遊走子(胞子)が出来ることになります。
しかし、これらの遊走子(胞子)の発芽体は、夏の高い水温や強い日光の為に死ぬものがほとんどで、秋まで生き残って幼体に育つのは100個位です。

わかめの養殖

採苗
人工的に種糸にわかめの遊走子(胞子)を着生させる技術である。遊走子付けの基質(種糸)としては、天然繊維のシュロ糸(径約3mm)やクレモナ糸などの化学繊維も使用されています。宮城県、岩手県の三陸地方では天然繊維、鳴門地方では化学繊維の使用頻度が高くなっています。

通常は採苗器としてプラスチック、木や竹・鉄線等の方形枠(50~100cm位)に種糸を巻き付ける(採苗)が、ただ種糸を束ねて使用する場合もあります。

海水温が10℃を越える頃(三陸地方では、6月~7月)から、胞子葉(めかぶ)は遊走子(胞子)を放出しますが、確実に遊走子(胞子)を放出するのは水温14℃以上になってからです。付着物をきれいに洗い落し、数時間から長くて1晩影干しした胞子葉を水温14~20℃の海水を入れたタンクに入れると、直ちに遊走子(胞子)が放出されます。遊走子(胞子)の放出が検鏡によって十分確認できれば胞子葉(めかぶ)は取り上げられます。その胞子が入っている海水を充分にかき混ぜ、採苗器(種糸)を入れると、30分程度で着生します。その後、粘液や汚れのない別の新鮮な海水を入れた水槽中に移します。三陸地方では採苗が終わった種糸を海中に垂下して育苗管理する。鳴門地方では陸上タンクで育苗管理を行います。
本養成
10月~11月になると種糸から1~2cmのわかめが発芽し、種糸上の幼葉(幼芽)が2~3cm以上の大きさになったら、本養成(養殖)を行います。海中育苗では水温の順調な降下を確認しながら、種糸を徐々に引き上げ、本養成(養殖)間近には水深2m前後の深さに垂下し、種苗の生長促進を図るとともに選別を行います。この場合、種糸を一斉に浅吊りするのは避け、段階的にこれを行い、芽落ちしないことを確認しながら徐々に引き上げます。

本養成(養殖)の方法には、巻き込み法と挟み込み法があります。巻き込み法は親縄に種糸を巻き付け、所々細糸で縛るだけなので巻き付け作業は楽ですが、本養成(養殖)密度の調整が難しいという欠点があります。一方、挟み込み法は2~5cmの長さに切った種糸を一定間隔で親縄に挟み込む方法で、多少手間が掛かりますが、種糸を無駄なく使え、しかも本養成(養殖)密度の調整ができるという利点があります。挟み込む間隔が狭いと生長が悪く、広いと親縄が有効に使えないので、実際には30cm間隔位に挟み込んで行われています。

本養成(養殖)場の漁場環境、主として波浪環境によって本養成(養殖)施設の様式は異なり、波浪が荒い外洋漁場の養殖施設は水平延縄式、一方波浪が静穏な内湾漁場では水平いかだ方式が主流で、延縄方式もみられます。

水平延縄式施設は主に三陸地方で行われ、親縄が1本の1条式(シングル)と2本の2条式(ダブル)があり、その長さは100mから150m位が標準です。この方式では施設の間隔が広く取られるので潮通しは良い。

水平いかだ式施設は主として鳴門地方で行われる。鳴門地区では大体90×60m位の枠に90mの親縄が10m間隔で設置されます。

わかめの本養成(養殖)において重要なポイントは養殖ロープ(親縄)上の着生密度調整です。着生密度の調整は一般に「間引き」といわれ、間引きの目的はわかめの生長を促すことと、長さと品質が均一なわかめを整えることです。間引きを実施して収穫されたわかめでは、「(1)全長が均一に揃うので収穫後の加工処理が容易」、「(2)密殖による生長停滞が防止される」、「(3)葉体への付着物を防げる」、「(4)わかめ1本当たりの品質が高まる」という利点があります。
収穫
原藻(わかめ)の生長を見ながら収穫作業を行いますが、近年、病虫害の被害が各地で見られ、病虫害を恐れて早期に収穫すると収量が出ず、収穫を遅らせると病虫害のために品質が落ちるという問題があり、収穫のタイミングを上手に見極めることが肝要です。一般的に、3月頃までには1.3m~2mのわかめに成長するので、これを刈り取り収穫します。
生産高
全国のわかめの製産高は、約10万トンで、その内90%以上は、このような養殖わかめです。

わかめの産地と生産高

国内の産地は、岩手、宮城、千葉、神奈川、三重、和歌山、徳島、佐渡、石川、兵庫、島根、山口、福岡、大分、長崎、などです。この内 岩手と宮城の二県で全国の生産高の70%近く占めており 輸入物は、韓国、中国産が主である。 年間消費量は、水揚げ基準※で約20万トン。輸入量は国内産の約3倍程ある。

※水揚げ基準 わかめは海から収穫した状態から湯通し塩蔵わかめを作ると、歩留りが1/3になり、又 干しわかめやカットわかめなど製品ごとに、その歩留りが異なって基準が計りにくいため、わかめは水揚げの基準で表示されています。

塩わかめ ボイルした後冷却し、塩を加えて脱水したもの。塩を加えないで乾燥したものより、やわらかい。塩抜きして使う。
塩ぬきわかめ 採取したあと、茎の部分を切り取り、熱湯に通してから冷水にとり、乾燥したもの。
灰干しわかめ 木灰をまぶしては数回、天火乾燥を繰り返したもの。真水で灰を洗い落とすと、特にあざやかな緑色になる。
糸わかめ(鳴門産) 灰干ししたものを洗って、灰を落としてから塩抜きする。これをすじぬき、葉の部分をさいて干したもの。ひものように細いものほど良質。一般に「わかめの王様」と評価されている。
糸わかめ(伊勢産) すじを抜いてから葉の部分をさいて干したもの。
糸わかめ(韓国産) 生わかめ(湯通し塩蔵わかめ)を水洗いして、乾燥機で乾燥したもの。
板わかめ 浜に敷いたせいろの上に、わかめを一枚づつ広げて、天日乾燥し、火であぶって食べる。
カットわかめ 生わかめ(湯通し塩蔵わかめ)を水洗いしてカットし、乾燥機で乾燥したもの。
子もちわかめ わかめの表面に魚が卵を生み付けたもの。とびうおなどの卵を、人工的にくっつけたりする。
茎わかめ わかめの茎(軸)の部分。
芽かぶ 成長したわかめの茎の下部に、ヒダ状に出来るぶ厚い葉(胞子葉)のこと。

わかめの上手なもどし方

もどし加減が一番重要
乾燥わかめは、水でもどすと約10倍位のボリュームになります。あらかじめ分量に注意して、下ごしらえにかかります。水に浸し過ぎると特有のコシがなくなってしまいますから、汁物に用いる場合は、半分位のもどし加減にしておくと、料理が出来上がる頃には、ほどよく水分を吸収して、おいしく味わえます。
もどしたわかめは水気をとる
もどしたわかめは、ザルにとり水分をしっかり取ること。これを怠るとベトベトしたり、水っぽくなったりして仕上がりに影響します。油で炒める場合などは、ふきんやキッチンペーパーにはさみ、軽く押さえると効果的。風味が封じ込められ口あたりもやさしくなります。
わかめは熱を通しすぎない
わかめは、熱にとてもデリケート。煮炊きする場合は、鮮やかな緑と歯ざわりをそこなわないように、最終段階でわかめを入れ、サッーと一煮立て、火を止めたっぷり味をしみこませるように。

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